メタバースにおけるモノの価値と消費
環境情報学部4年 隈田原 幸大
1-1.モノの価値の構造
原初的な経済世界にいては、モノの価値は、構成している物質とその使用価値によって定められていた。そして現在の「消費社会」においては、モノの価値は、物質やその使用価値のみならず、「記号価値」というものによって規定される。「人びとは自分を他者と区別する記号として(最も広い意味での)モノを常に操作している」。まさに現代社会における消費では、そのモノの物質や使用価値ではなく、自分と他者を差異化するコード=記号価値が重要視されている
1-2.ヴァーチャルワールドにおけるモノの価値の構造
1-2-1.エバークエストのアバター取引分析
エバークエストにおけるアバターの価値は、①アバターの能力、②アバターのクラス、③性別、④取引時期、によって大きな影響を受けることがわかる。ここで注目したいのは、アバターの能力は重要な価値要因であるということである。また、その中でも、成長させるのは困難だが、いったんレベルが上がると強キャラに成長するMagic,Priestの価値が高いということ。また見かけも重要視される点にも注目したい。
1-2-3. 考察
MMORPG型メタバースであるエバークエストにおける、アバターの価値要因はどれも、エバークエストというプログラム(物語)による。本来、使用価値がないものに、エバークエストというアーキテクチャ(物語)が価値を付与しているのである。
OPEN-SOCIAL型メタバースであるセカンドライフは前の物語性を創出できていない。つまり、現実世界の物語の断片(アニメやゲームや神話や伝説など)を輸入(コピー)することでしか、商品に文脈が生まれず、使用価値も記号価値(特にコノテーションのレベルの価値)も生じない。
あと、もう一つあるので、よろしくお願いします。
2008年6月25日水曜日
メタバースにおけるモノの価値と消費
2008年6月24日火曜日
これまでの研究成果について
皆様、こんにちは。
大倉です。
更新がぶつぎれな状態で、申し訳ないです。まもなく、きちんと再開できます。
まずは、これまで私達の研究チームがしてきたことがまとめられていないので、各項目ごとにUPします。
なお、一部これまでに書いたのとダブル部分があると思いますが、ご了承を。
メタバースの類型と将来像
総合政策学部 四年 大倉 豪紀
1、メタバースの4類型
① Virtual worlds
現実からは閉じていて、仮想現実的な世界
Sony Home, Second life, WoW, FF online
②Mirror worlds
現実とリンクした仮想現実
Google Earth,
③Augmented reality
現実世界上に、電子情報を載せるもの
QRコード、めがね版コンピュータ
④Lifelogging
現実世界上に、個人的な電子情報を載せる
Ipod+nike
(参考文献:Metaverse roadmap http://www.metaverseroadmap.org/index.html)
2、Virtual worlds の4類型
① MMO RPG 型
運営会社がコンテンツの全てを作る
独自の世界観構築に有利
② Open social 型
ユーザもコンテンツを作る
ユーザの多様な目的を満たす社会的な仮想世界
Ex)Second Life など
③ Closed social 型
運営会社がコンテンツを作る
ユーザの多様な目的を満たせない?
Ex) Meet-me 、PS-Home
④ Game on open social 型
セカンドライフの上に、ゲームが載る
情報管理がしやすい+ユーザが入りやすい
Ex) LEFEND (セカンドライフ上のMMO RPG http://japaland.cubejapan.com/legend/
今後これらの類型について、より詳細に立ち入って考えていきます。
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Japan Metaverse Forum: メタバース類型~世界の構造・ユーザ目的による分類~