2008年11月11日火曜日

メタバースとは?

本日のNHKのデジタルネイティブは大変面白い番組でした。NHKは唯一まともなTVメディアだと改めて感じました。

前回述べたアバターについてですが、少し補足させて頂きます。
タイタニックの監督 ジェームズキャメロンの次回作は 「アバター」だそうです。
来年12月に公開。しかも3dシネマ。
「ドラマの舞台は、地球人が植民した惑星パンドラ。負傷した海兵隊員ジェイクが、アバター(化身)を使ってその星で暮らすようになるが、その星の先住民たちによる反植民地運動に巻き込まれていくというSFアクション」
http://eiga.com/buzz/20080225/1 より

アバターは化身とここでは書かれていました。

さて、昨日に引き続き、今回は メタバースについて 述べたいと思います。
今回の項は 若干荒く書いてしまっているので、色々と意見頂けると嬉しいです。

メタバースとは、「Meta(抽象的な)」と「Universe(現実世界)」が掛け合わされた造語 metaverse である。

定義は以下の通りです。
「The convergence of 1) virtually enhanced physical reality and 2)physically persistent
virtual space. It is a fusion of both, while allowing users to experience it as either. 」
(訳:①実質的(バーチャル)に、物理性を表現したリアリティー と ②物理永続性が保たれるバーチャル空間、を融合したもの)
『Metaverse Road Map -Passway to the 3D Web-』(John Smart, Jamais Cascio, Jerry Paffendorf, 2007)より

今回詳しく説明できないのですが、バーチャル virtual を仮想と訳していないのには、ここでいうバーチャルというのは、実質的な、本質的なという意味であるからです。
難しい説明なのですが、実質的な、本質的なとは、情報の本質的な部分だけを抽出して、再現したことをさします。
例えば、現実の世界では、日本銀行が発行した紙幣、コインというのがお金でありますが、実質的、本質的な世界では、紙幣、コインそのものがお金ではなく、その中にある情報 100円なら100円という情報だけを抽出して、再現(シミュレーション)した世界をさします。ここの説明は 若干自信がありません。
詳しくは、wikipediaのバーチャルワールドの項で
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3


さて、本題のメタバースの定義に戻ります。
分かりにくいとは思いますが、先程の定義の①と②をそれぞれもう少し噛み砕いて説明すると、

①に関しては、 私達がいるこの実際の世界上にはないけれども、電子サーバー上の中で、バーチャルに、物理性を持って、シミュレーションされてた世界を意味しています。CGの作成とかをイメージするといいかもしれません。ここで、お金や食べ物といったものは、お金そのものの情報 100円という情報、 食べ物でしたら、マクドナルドのフライドポテトという情報が 抽出され、再現されます。

② そのことに加えて、その世界の中にある 電子的に表現された物体が 永続的に、その物体が保たれている状態を指しています。
 たとえ話なのですが、僕が寝る前に、机の上に、自分のメガネを置いて、ベッドに入っても、次の日の朝には、必ず机の上に、メガネがある状態が保たれていることを意味します。これは、現実の世界では普通ですが、電子上で再現された世界において、こうしたモノが保たれている永続性は、電子空間上で、現実世界と同様に、生きていくには、欠かせない要素です。
反対の話は、朝起きたら、突然部屋ごとなくなって、僕は 真っ白な世界の中にいたということになります。つまり、ものごとをいったん終えてしまうと、全ての情報がリセットされてしまう世界、TVゲームの昔のマリオを思い浮かべると分かりやすいのではないかな?と思います。

今回のメタバースの定義は、あくまで参考にした資料を基にしたので、他にもいろいろな定義があるかとおもいます
残念なことに、まだ wikipedia日本語版には、あまり書き込みがないのですが、今後こうした議論が盛んになれば幸いです。アメリカ版は盛んです


ではでは、今回はメタバースはこのへんにしたいと思います。

2008年11月10日月曜日

アバターについて

今回の投稿からは少し、趣旨を変えさせて頂きます。
セカンドライフに関わる用語に対する考えをまとめてみました。

まずは、アバターについてです。

アバターとは、端的に言うと、セカンドライフヤゲームで、プレイするキャラクターみたいなもので、自分の分身みたいなものです。最近では、モバゲーやヤフーなど立体的なゲームに関係なく、様々なネットサービスでも使われています。

元々の語源は、インドの方面の語で、神や仏の分身という意味が合ったようで、そこから派生して、今のユーザーの分身というキャラクター的な側面で使われるようになってきました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%BC

そうした単なるキャラクターのようなものではありますが、注目されています。その理由としては、以下の背景が挙げられます。

メッセンジャー、掲示板など、従来の文字メディアにおいては、ユーザーの第一情報は、ユーザー名からのみであり、その次に、ユーザー自身が発信するメッセージそのものである。その為、限定的な情報しか手に入れられなかった。

しかし、アバターは、ユーザー名に加えて、顔や表情などの物理的情報が表示され、これまでのネットメディアにはなかった、第一印象というものがうまれて、コミュニケーションの中での情報量をより増やしていくと考えられています。(私自身は、これについては懐疑的です。)

 例えば、アキバ形のアバターの人と出合ったら、ああ、この人はアキバ系のコンテンツが好きなオタクな人なんだなっという感じに、初めて会った人に対して、色々印象を抱き、コミュニケーションを図ります。これは、私達日常生活においては、初めて会った人でも、その人の表情を見て、この人はウマがあいそうだみたいなように、極めて一般的なことだったのですが、これまでのインターネット上のコミュニケーションでは、こうしたことはこれまでありませんでした。

こうしたことから、アバターは、非常に注目されています。
なので、ただのキャラクターと捉えないほうがいいみたいです。

ただ、本当にそうなのでしょうか? 

一時期モバゲーが若者を中心に、非常に流行化しました。その中で、キーポイントとしては、アバター機能があったことが挙げられていました。このモバゲーはSNSで、mixiのユーザーの写真をアバターにしていました。ここでのアバターは、ユーザーのアイデンティティそのものを示していると言われていました。

そして、このアバターは、単にSLのように、服を着たりするのですが、その為には、SLと違って、運営会社さんからお金を支払う事で、アバターを色とりどりにできます。(正確な説明ではないが、結果的には同じ事) モバゲーの運営会社のDENAは、このアバター収益で、結構儲かったりもしました。というのも、アバター販売は、情報コンテンツ販売なので、固定費のみの、変動費ゼロの世界で、かつ、アバター自体の制作費なんて、とっても安いものです。
こうしたアバター販売ビジネスは、運営会社にとっては、安い制作費で、若い人達が馬鹿みたいにバコバコ売れるので、顔がとってもにやけていたはずです。

話が脱線してしまいましたが、僕はそうしたモバゲーの中を探索して、かつ、インタビューを通じて、感じたのですが、果たして、アバターがそんなに、このSNS内で、クリティカルに、コミュニケーションを活発にする材料になったのでしょうか?

結論から言うと、アバターよりも顔写真の方が遥かに効果が高いと思いました。
モバゲーは、表面上はゲームサイトと装っていますが、結構怪しいです。実際、やってみて、女性の方が顔写真を出すと、一斉にフレンド申請が来たり、掲示板の書き込みも大量でした。

ただ、この顔写真にも二パターンの現象が生まれる事も同時に分かりました。
1、かわいい女性の方の写真・・・沢山のユーザー(おそらく男性)が集う
2、いまひとつな女性の方の写真・・・写真が出ても、全然書き込みがない
かなり、露骨に反応が分かれるなーという印象を受けました。

僕が言いたいのは、単に、モバゲーがやばいということではなく、アバターよりも遥かに、顔写真を出す方が、コミュニケーションにおける情報量をより豊かにするなと感じました。SLとはまた異なるのですが、一般的なネットサイトにおけるアバターの効果に対して、とても疑問に感じます。もっと言うと、ないと思います。ヤフーのアバターは、邪魔なだけだと思います。

こうしたサイトがもともとアバターの機能提供を始めたのは、韓国のネットサービスで、爆発的にヒットしたのに、ついていっただけでしょう。しかし、こうしたものをただ付けるだけでもただ、あるだけの機能になってしまいます。

さらに、最近の日経等によれば、モバゲーにおけるアバターの収益が減ってしまっているとの事です。dena会社全体の売上高が 年間ベースで 10%減。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/28/news114.html より

記事によると、ユーザーに飽きられたとのことです。アバターは、決して多くのユーザーに支持されている機能ではないと考えています。
DENAさんのように、アバター事業で、成功した企業はいいと思いますが、今後新たにサービスを立ち上げる際に、安易に、アバターを付けても、あるだけの機能になってしまいます。

ではでは

2008年10月19日日曜日

machinimaについて

お久しぶりです。大倉です。

今日は、machinima(マシニマ)について、書かせていただきます。
マシニマとは、SLなどの3Dのメタバースの空間を利用して、撮る自主映画みたいなものです。
今回、そのmachinima.com (  http://machinima.com/  )に行ってみると、様々な動画がupされています。
その中で、まず、このサイトで、マシニマについての動画がupされているので、下に、紹介します。




このように、セカンドライフのような3Dのメタバースを利用する事で、映画で使う 場所、人物など様々な資源をデジタル上で、まかなう事ができ、これまでの映画制作とは異なり、低価格で、作成する事が可能です。
こうしたコストが下がる事で、これまで映画制作をしたかったけど、お金がない、友達がいない、一緒にやってくれるようなスタッフがいないといった人も映画制作に参加できるでしょう。コンピューターさえあれば、映画も撮れる。しかも、映像編集でなく、本編を撮れるというのは、とてもユーザーにとっては、魅力的だと感じます。
こうしたマシニマは、他にもたくさんupされていて、再生数が一万件を超えているものも多数あります。最後に、一本ビデオを紹介します。
このビデオは、シリーズものみたいで、5話目なのですが、映画並みのクオリティも良さで、作られた戦闘モノのビデオです。
それでは!



2008年7月11日金曜日

セカンドライフにて、早慶戦を行います!

こんにちは、大倉です。
この度、SLUのスタッフの方と一緒に、セカンドライフ上にて、早慶戦を行うことになりました。
詳細は、以下の通りですが、 ぜひぜひ足を運んでください。
(SLUさんのHP  http://www.geocities.jp/slu_project/ )


1.イベントの詳細 ~早慶の学生団体が徹底討論!~

○タイトル
「セカンドライフで早慶戦」 

○参加団体
「SLU」(早稲田大学、学生代表:魚屋洋介)
V.S. 「Japan Metaverse Forum」(慶應大学、)

○日時、場所
日時:2008年7月11日 (火)、22:30~
場所:「SLU、Wasedaキャンパス」(wasedaシム、

ロケーションNo.[109.71.27])
※セカンドライフの検索で「SLU」と入れると出てきます

○イベント内容
08年7月17日、早慶の学生団体が討論にてぶつかり合います。

07年6月の創設以来、「学びたい人が学べ、教えたい人が教える理想の大学」
を目指し、様々なイベントを発信してきた「SLU」(早稲田大学)。
一方、やはり同じ07年頃から、セカンドライフを始めとする様々な
メタバース(仮想空間)研究を行ってきた「Japan Metaverse Forum」(慶應大
学)。

両団体から数名が代表者として参加し、徹底討論。

当日の討論会のテーマは、「仮想世界で演じるなら男性が良いか、女性が良いか」、
「ネット上で知り合った人とのリアル結婚はありか、なしか」といった
メタバースに関するものを始め、「おすすめ対決(ラーメン屋・映画・音楽・
本)」、
両校出身者自慢大会など。

いくつかテーマを私たちが予めピックアップし、最終的には
会場の皆様に討論するテーマを選んでいただきます。

【SLU公式HP:http://www.geocities.jp/slu_project/
【Japan Metaverse Forum公式ブログ:http://j-metaverseforum.blogspot.com/

2008年6月25日水曜日

メタバースにおけるモノの価値と消費

メタバースにおけるモノの価値と消費
環境情報学部4年 隈田原 幸大


1-1.モノの価値の構造

原初的な経済世界にいては、モノの価値は、構成している物質とその使用価値によって定められていた。そして現在の「消費社会」においては、モノの価値は、物質やその使用価値のみならず、「記号価値」というものによって規定される。「人びとは自分を他者と区別する記号として(最も広い意味での)モノを常に操作している」。まさに現代社会における消費では、そのモノの物質や使用価値ではなく、自分と他者を差異化するコード=記号価値が重要視されている



1-2.ヴァーチャルワールドにおけるモノの価値の構造

1-2-1.エバークエストのアバター取引分析

エバークエストにおけるアバターの価値は、①アバターの能力、②アバターのクラス、③性別、④取引時期、によって大きな影響を受けることがわかる。ここで注目したいのは、アバターの能力は重要な価値要因であるということである。また、その中でも、成長させるのは困難だが、いったんレベルが上がると強キャラに成長するMagic,Priestの価値が高いということ。また見かけも重要視される点にも注目したい。




1-2-3. 考察

MMORPG型メタバースであるエバークエストにおける、アバターの価値要因はどれも、エバークエストというプログラム(物語)による。本来、使用価値がないものに、エバークエストというアーキテクチャ(物語)が価値を付与しているのである。
OPEN-SOCIAL型メタバースであるセカンドライフは前の物語性を創出できていない。つまり、現実世界の物語の断片(アニメやゲームや神話や伝説など)を輸入(コピー)することでしか、商品に文脈が生まれず、使用価値も記号価値(特にコノテーションのレベルの価値)も生じない。


あと、もう一つあるので、よろしくお願いします。

2008年6月24日火曜日

これまでの研究成果について

皆様、こんにちは。
大倉です。

更新がぶつぎれな状態で、申し訳ないです。まもなく、きちんと再開できます。
まずは、これまで私達の研究チームがしてきたことがまとめられていないので、各項目ごとにUPします。
なお、一部これまでに書いたのとダブル部分があると思いますが、ご了承を。


メタバースの類型と将来像

総合政策学部 四年  大倉 豪紀



1、メタバースの4類型






Virtual worlds

現実からは閉じていて、仮想現実的な世界

Sony Home, Second life, WoW, FF online

Mirror worlds

現実とリンクした仮想現実

Google Earth,

Augmented reality

現実世界上に、電子情報を載せるもの

QRコード、めがね版コンピュータ

Lifelogging

現実世界上に、個人的な電子情報を載せる

Ipod+nike




(参考文献:Metaverse roadmap http://www.metaverseroadmap.org/index.html




2、Virtual worlds の4類型

















① MMO RPG 型

 運営会社がコンテンツの全てを作る 

 独自の世界観構築に有利 


② Open social 型

 ユーザもコンテンツを作る

 ユーザの多様な目的を満たす社会的な仮想世界

   Ex)Second Life など





③ Closed social

 運営会社がコンテンツを作る

 ユーザの多様な目的を満たせない?

   Ex) Meet-me 、PS-Home 


                                       


 ④ Game on open social

    セカンドライフの上に、ゲームが載る

    情報管理がしやすい+ユーザが入りやすい 

    
     Ex) LEFEND (セカンドライフ上のMMO RPG http://japaland.cubejapan.com/legend/



今後これらの類型について、より詳細に立ち入って考えていきます。
関連記事
Japan Metaverse Forum: メタバース類型~世界の構造・ユーザ目的による分類~



2008年5月30日金曜日

philip rosendale氏の講演

最近記事の投稿が無くて、申し訳ないです。

今日、リンデンラボの社長、Philip Rosendale 氏がVirtual World Conference & Expo 2008(日本)で講演したそうです。 僕は実は、今さっき知りました。笑
www.4gamer.net/games/033/G003334/20080529043/ 
の記事に載っている講演ログから面白いところを「」で抜き出しておきました。



・文字の情報と3Dの情報のリッチさについて


「現在のWebの基礎となる文字情報単語では,言語が違えばコミュニケーションが取れない,また例えば椅子という単語一つだけでは,どんな椅子なのかは分からないといった問題を持っている。もちろん,現在のWebでも写真なり絵をつけることはできる。しかし,文字情報よりそういったイメージ情報のほうが,情報の伝達と共有で有用なのは間違いないだろう。そして,3Dによる情報はさらに多くのものを伝達できる。」


・3D情報の普遍性について (言語というフィルターを通さない意味での普遍性)
「言語を理解することなくさまざまなものを理解できる,体験できるというのも,VWが情報伝達において優れた点である。現物に近いものを見,触れるなどができれば,言葉の通じない国の情報でも理解しやすい。」


・VWの同期性について
「人間は情報を作り,消費するときに,誰かと一緒に行いたいと思うものだと氏は語る。例えばAmazonに行けば,500人くらいの人が同じあなたとデジカメのページを見ているかもしれない。しかし,Webではその500人はコミュニケートできない。VWなら,そのカメラについて周りの人とリアルタイムに情報交換ができる。バーチャル空間で一緒になにかをやっていくことができる。」
この点は、ニコニコ動画との比較もすると、面白い


・VWの発展には4段階ある
「第1段階は,遊びのためにテクノロジを使うことだ。個人で遊び,みんなで遊び,それを芸術などのレベルにまで高めることもあるかもしれない。第2段階は教育に使われるようになること。第3段階になると,企業の内部で使われるようになる。企業というのは,新しいものに対しては懐疑的なことが多いので,そう簡単には動かない。第4段階では,企業がその技術を使ってビジネスをするようになるという」
「実際,Second Life Gridの15%が教育者によって使われて折り,いちばん多くの土地を買っているのも学校関係であるという」


・VWの今後の課題について
「(インタフェース)なによりも使いやすくすることが必要だ。」

「VWはオープンでなければならないとも述べた。標準化されたシステムで相互運用ができなければならない。なぜなら,VWは,現在のインターネットに代わって個人や企業で広く使われる「次のインターネット」となって機能しなければならないからだと氏は語る」

IBM Digital Convergence部門のVice PresidentであるPaul Ledak氏によるスピーチより
・IBMのVWへの戦略
「IBMが狙うのは,VWというよりも3D Internet(3Di)の標準化だ」

・VWのオープン化について
「標準化が進むとどうなるか? まず,いろいろなVW間でアバターが相互に行き来したり,標準的なミドルウェアやフレームワークでVWやその上で展開されるサービスを構築でき,1種類のクライアントでいろいろなVWを楽しむことができるようになる。」
「それぞれのVWをWebサイト,クライアントをWebブラウザだと考えると分かりやすいかもしれない。」
これはマルチバース(VW同士をつなぐこと) にもつながる指摘である

・今後のVWオープン化のスケジュールについて
「今後2年くらいで基本プロトコルを標準化し,3,4年で標準クライアント,3~5年後には標準フレームワークを構築する予定だという。将来的には,Webブラウザの拡張機能で標準VWブラウズ機能が用意したいとLedak氏は語っていた」
意外とかかる

いじょうです


2008年4月12日土曜日

メタバース類型~世界の構造・ユーザ目的による分類~

大倉

1月末に作成したレポート。 
簡単に要約しますと、メタバース(ここでは、オンラインでつながっていて、かつ ディスプレーで映し出される バーチャルワールドを指します。)を四つに分類した。その分類の手法は、 ユーザがその世界に求める目的が 単一であるか、様々であるかという 目的性という軸と その世界の設計がユーザに対して、著作権やお金やデザインなどの面で、オープンであるか、もしくは 運営会社のみが徹底して作りこんだせかいである クローズドであるか という軸 二つの軸を使いました。

という感じで、下に本文をそのまま載せます。
時間がないので、ちょっとずれていたりしますが、ご了承を。


0-2、メタバースの全体像

 メタバースについての現状とこれからについて述べていく。






<図1> メタバース 分類図 

(赤い文字:モデル名 黒い文字:各メタバースの名前)

User Community

Game Design

Game Protocol

Internet Protocol

<図2 メタバースのレイヤー>

 図1は、メタバースがどのように分類されるかを示したものである。

まず、この図の軸について、横軸はオープンとクローズドの度合いで分けている。

ここで、一つのメタバースのシステムがどういうレイヤー(層)で分けられているのかを図2で書き表した。ここで、ゲーム・プロトコルとゲーム・デザインは、ゲームのハードウェア機とソフトウェアのような概念で考えていくと分かりやすい。ハードの規格に基づいて、ソフトウェアを開発していき、ハードさえ同じであれば、全てのソフトが使える。

ゲーム・デザインでは、メタバース内の物語設定、ユーザ・インターフェース、物理的環境、法律、制度であり、メタバース運営者が自由に設定できるレイヤーである。ゲーム・デザインの設定次第で、ユーザがモノを創ることや通貨の現実通貨との兌換性が可能となる。(この議論は メタバースの融合モデルでも用いられる)

図1の議論に戻ると、オープンとクローズドであるか否かは、ゲーム・デザイン層がユーザやその他のバーチャル・ワールドや現実世界にとって、開放的であるか閉鎖的であるかである。

 次に、図1の縦軸は、目的志向性(object-oriented)が強いか、社会志向性(social-oriented)が強いかという基準によるものだ。目的志向性とは、そのメタバースへ参加する目的が明確であることを指す。具体例として、World of Warcraft へ参加するユーザは、そのファンタジーな世界観で、武器や魔法を使って、冒険をしたいゲーム性への目的が強い。こうしたことを目的志向性が強いと定義づけた。

 一方で、社会志向性は、ユーザの目的が多様に存在するメタバースを示し、現実の社会に近い。Second Lifeでは、色々な所を観光するユーザやビジネスをするユーザもいる一方で、コミュニケーションするためツールとして使うユーザもいる。こうした多様な目的が存在するメタバースを社会志向性が強いと呼ぶ。

 以上の定義によって、図の分類は出来ている。

 

0-3、各モデルについて

これより各モデルの説明に入っていきたい。

AMMO RPG

このMMO RPG型はいわゆるMMORPG、オンラインゲームが入る。特徴には、ゲーム・デザイン層がクローズドで、独自なものとなっていて、ユーザの目的志向性も強い。運営会社によって、メタバース内の世界の全てが構築されている。

B, Open social

このモデルは、近年登場してきたSecond Lifeやはてなワールドが挙げられる。これらの世界に共通していることは、ゲーム・デザイン層がオープンであり、ユーザの目的も多様である。運営者がメタバース内の全てを構築せず、基盤を整備している。ユーザにメタバース内のモノ(オブジェクト)を作るツールの提供や経済基盤の整備である。その為、ユーザはその基盤上で、コンテンツ作りや経済取引を行い、運営会社に代わって、世界構築を行っている。

他に、このモデルのメタバースは、現実世界との境が綺麗に分けられなくなってきていることも挙げられる。

C, Closed social

このモデルにはmeet-me home といったバーチャル・ワールドが挙げられる。BOpen social型と大きな違いは、メタバース運営者によって、ゲーム・デザイン層の全てを構築している点である。これによって、ユーザが感じるメタバースへかける心理的・経済的負担を減らしている。そして、運営会社がユーザに方向性を導き出すことで、多様な目的性を保ちつつ、ユーザに満足度を提供している。

D, Game on open social

この分類では、現在目立った例がないものの、今後様々なものが出てくるのではないかと考えられる。このモデルでは、図3に描かれているような、open social型のバーチャル・ワールドの上に載るバーチャル世界である。具体的にしていくと、セカンドライフ上に、MMO RPGやシューティング・ゲームなどの新たなバーチャル・ワールドを構築していくことが挙げられる。

 





<図3 game on open social の概念図>




04、メタバースの変遷 各モデルによる考察

次に、メタバースの各モデルのこれまでの経緯について、考察していきたい。

A,MMO RPGの誕生

 オンラインゲームは、1994年から原型が登場してきて、現在のMMO RPGの原型は、96年以降から登場し始めた。MMO RPGは従来のゲームにはないユーザ間のコミュニケーションやバージョンアップによる世界の進化がユーザを魅了し、インターネットでのコンテンツ課金では数少ない成功事例となっている。

B, 経済とガバナンス基盤によるOpen social型の誕生

そうした中で、MMO RPGとはまったく対極的な世界が誕生した。そうした代表例がsecond lifeである。このopen social型の誕生には、メタバース内の経済基盤とガバナンスの基盤の整備である。経済基盤では、バーチャル・ワールドでユーザによって、作られたコンテンツに対して、所有権や知的財産権が付与されるようになってきた。そして、アイテム交換やメタバース内通貨と現実通貨の兌換性といった経済取引の自由化が進められたそして、そうしたコンテンツ作りへのツールがユーザへ提供されるようになってきた。

ガバナンスについては、従来の運営会社によるトップダウン形式の運営からユーザがコミュニティを自治していき、その中で処理しきれない問題を運営会社へゆだねるボトムアップ式になってきた。○章でより詳しく記述する。(湯村さんの派-と)

そうした二つの基盤の整備により、open social型の世界は経済的にも社会的にも発展してきている。

C,  Closed social型の誕生

そうした流れに対して、open social型のモデルへの批判も出てくるようになってきた。物語性や目的性の欠如、ユーザの敷居の高さといったものが挙げられている。そこには、open social型では、あまりにも自由度が高いために、ユーザが意味を見出せないといったことが起きている。

 そうした問題に対して、meet-me やソニーのhomeといったclosed social型が登場してきた。このモデルでは、ゲームの運営者が世界のほとんどを構築することで、ユーザに方向づけをしつつも、ユーザの多様性を保とうとしている。

0-5、メタバースの将来像

 次に、メタバースの各モデルの今後について、考察していきたい。

A, MMO RPG

MMO RPG型はユーザの目的性を満たす為に、独自の世界観を構築する必要がある。その為、メタバース運営者は、ソフトウェアがオープン・ソースにする必要はなく、独自仕様にすることで、むしろ差別化が図れる。現実の世界とはまったく遮断されている独自の世界観へのニーズは今後も残るという意見は、半分以上の方に占めている。(metaverse roadmap 資料より)

B, Open social

ファンタジーな世界観が出せないものの、社会的なプラットフォームとして、このモデルは今後も拡大していくだろう。

今後、経済基盤がより発展し、ユーザがバーチャル・ワールド内で、暮らしていけるような所得を獲得できるようになれば、このバーチャル・ワールドで、暮らして、時々現実世界へ散歩をするという現象が起きてくるだろう。実際に、エバー・クエスト(MMO RPG型のメタバース)のユーザの20%がこうした回答を出ている。

C, Closed Social

 私はこのモデルは今後あまり伸びないのではないかと考えている。理由としては、ユーザの曖昧で、多様な目的を満たすには、運営会社のみで行うのはそもそも困難であるという点。まず、そうしたユーザの目的を把握するのは、現在の研究からも全てを把握するのが難しい状況なので、運営会社も無理なのではないだろうか。また、ユーザの目的を一定の方向付けをすることも難しい。

また、こうした多様な目的を満たすには、そうとうのコンテンツ作りを必要とされるだろう。というのも、ユーザがモノを作れないような状況では、現在open social型で行われているユーザが作るコンテンツ分をも運営会社が構築しなければならないからだ。

 そして、経済面の取引が制限されて、ユーザがこのメタバース上で、自立生活することは困難であろう。

 そうしたことを考慮すると、縦軸が上にあるエリア(social-oriented にある)はユーザへかなりの自由度を与えなければ、そのバーチャル・ワールド自体が発展せずに、破綻してしまうだろう。

 これは、様々な目的が集まるソーシャルな面を持つインターネットがオープンであったことで、発展した歴史に近いように感じられる。

D, Game on open social

この利点としては、運営会社側の運営費用負担の軽減ならびに、ユーザ獲得費用の負担の軽減が挙げられる。MMO RPG型では、独自のメタバースごとに、ゲーム・プロトコルからゲーム・デザインまで全てを開発しなくてはならない。一方で、game on open social型では、ゲーム・プロトコルの全てとゲーム・デザインはそのメタバースが置かれるopen social型のメタバースの運営者によって、構築され、運営者の経済的な負担が減る。

 一方で、ユーザの視点から考えていくと、アバターやアイテムといったID情報の共有化ができ、利便性が高まる。また、各game on open social型のバーチャル・ワールドへの出入りが自由にできる。

このように、マルチバースの一形態(複数の規格に準拠したマルチバース)としても捉えることもできる。(○章メタバースの融合モデルにて、より詳しく後述す)こうした点を考慮して、今後このモデルは発展していくだろう。

 

<参考文献>

Wikipedia

オンラインゲーム

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0

MMO RPG

http://ja.wikipedia.org/wiki/MMORPG

ITmedia [Second life はてな版?仮想世界「はてなワールド」β公開

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/13/news084.html

on virtual economies Edward castronova 2002

the right to play Edward castronova 2006

virtual worlds: a first-hand account of market and society

Edward castronova 2001

metaverse roadmap overview 2007  http://metaverseroadmap.org/

閲覧日はいずれも2008125